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ミッション・トゥ・マーズ Comments (8)
本格的な宇宙遊泳シーンとB級SF展開がミックスしている作品。
スピリチュアル・オカルトの世界で、いまだに根強く語られている、
・古代、火星には文明があった
・人類の起源は火星人である
・・・説を設定に取り入れている作品。
見所を挙げると、
・チョコレートをDNAの二重螺旋に見立てて浮かばせる
「ワ~オ! 無重力!」
・四人一列に並んでの宇宙遊泳のシーン
「ぼくも、やってみた~い!」
・人面岩(巨大な顔)の中で語られる火星と地球の歴史(隕石によって火星の文明が瞬く間に滅んだ→火星から宇宙船が各地へ飛散した→その内の一機が地球に飛来し地球の生命に進化をもたらした)
「ほう~(壮大なタイムスケールの話やな~)」
オーストラリアのエアーズロック(ウルル)のように、
「デ~ン!」
と佇む人面岩(巨大な顔)がこの映画の全てを物語っています。
この映画けっこう好きです。
ゲイリー・シニーズもいい味だしてます。
ティム・ロビンスの壮絶な最期も胸をうたれます。
主人公が最後に下した決断はとくに感動的です。
問題の観音様ですが、映画のなかであれはホログラム映像ですので、あくまでイメージではないか、実際は火星人も人間とほぼ同じ容姿なのではと解釈することにしました。つまり火星人が訪問者用ホログラムに、建造物の顔からデザインした案内人を挿入したということです。もし地球が舞台なら、彦根城から彦にゃん、梨の形をした宇宙船なら、勿論ふなっしー(笑)って感じです。
宇宙船の考証と描写が良く出来ていた。回転する重力発生装置があってその中心から人が対角線上に外側に向かって足をつけていて、液体が宙に丸い粒となって舞う。空気漏れへの対応や船外活動も緊迫感があった。この部分の出来が良かったので、むしろこういう現実的な火星への救出作戦を描くだけでも良かったのではないか。まだ観ていないがそのような作品がもしかすると『オデッセイ』なのかな。
後半からは一転して冒頭の話を引き継ぎ神秘的な話へと変貌する。これはこれで悪くはないのだが、冒頭で人が死に救出作戦でも危険だらけだったことからのこの変化には多少の戸惑いもあった。
物語にも宇宙でのことについても色々と突っ込みどころはあるのだが、全体としては映像と撮影を含めてまずまず楽しめた。
いや、してもらっているのが分かる
相当なSFマニアや宇宙関係のプロフェッショナルからひとつひとつ教えてもらいながら、製作されているのが画面から伝わる
つまり製作陣が本当の意味では科学考証の理解が及んでいなく、底が浅いのが透けて見えてしまう
そこが残念という意味だ
大まかにいうとだいたいオーケーで素晴らしいシーンも多い
しかし、所々で致命的レベルの間違いがあり一気に醒めてしまうのだ
テーマも絞り切れていない
遭難した火星ミッションの救出劇なのか、異星人との遭遇あるいは未知の宇宙の果てへの旅立ちであるのか、それとも宇宙空間や無重力の驚異を描くのか
第一であれば、リドリースコット監督がオデッセイとして十数年後にそこだけに焦点を当て切り出した作品を作っている
ほとんど本作のリメイクと言っても良い内容だ
第二ならば、ズバリ2001年宇宙の旅だ
ボーマン船長がジムに置き換わっている
つまり火星での遭難、救出ミッションはHALとの闘争に相当するサスペンスという相似形をなす
他にも、本作の3年前のコンタクト、十数年後のインターステラーという名作がある
第三なら、ゼログラビティとしてこれも十数年後にそこだけを切り出した本作のリメイク的な作品として製作されている
デ・パルマ監督の意図は第二であるだろう
しかし最初に述べたように、キューブリック監督自身が科学考証にかなりのレベルまで本当に理解して製作出来ていたのに対して、デ・パルマ監督は上っ面であったことだ
結果として本作は2001年宇宙の旅の劣化リメイクというか、大衆廉価版リメイクという赴きの作品になってしまった
火星人をそのものズバリと見せてしまっては、どんなに頑張ってもチープさが漂ってしまう
火星の人面岩のモチーフを持ち込むのもそうだ
だから、ジムが遥か宇宙に旅立ってもそこには、ああ面白かった!はあっても感動はない
知的興奮も薄いものしか得られないからだ
しかし、後年にオデッセイとゼログラビティの製作に影響を与えたように、本作はそれだけのポテンシャルを持っているのは確かなのだ
それだけでも意義はある
観て損はない
ドキドキ感とかイマイチで、設定にツッコミどころもチラホラ。
4人しかおらへんのに、4人で探検行ったらアカンやろ。とか、安易に宇宙服脱いだりして、その行動の甘さにヒヤヒヤする。
ラストも甘々な感じでした。