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アリスのままで Comments (20)
ウチら家族もこの映画のような話にしよう
アルツハイマー型認知症の母を持つ息子より
5年前に映画館で観た時はまぁまぁかな…と思ってたのですが、今夜観たらやたらと泣ける。
ワインのせい?
それとも、自分の歳と近くなったから?
正直、以前よりかなりリアルに感じた。
だんだん色んなことを忘れ、自分が自分でなくなっていくことは、恐怖だと思います。
まず子供返りしていった後、徐々に人格が壊れていき、老け込み、無感動・無表情になっていく様子を、ジュリアン・ムーアが見事に演じていました。
悲しくも、支える家族の愛が眩しい映画。
そう、記憶は、宝物。
知識を語彙を駆使して伝える大学教授、それも言語学の権威である主人公が言葉を失っていく
たくさん喋ってきた人は、認知症になっても喋りたいであろう、それを次女が寄り添う
演劇に没頭しその日暮らしの次女は、主人公の認知症が進む前に言い合いになった時に、「私は今幸せ」と言う
主人公は、娘の将来を案じていたが、自分が今を生きることになる
こころに残る台詞
自分のことを語る演説が全てこころに残る
Please do not think that I am suffering. I am not suffering. I am struggling. Struggling to be a part of things. Stay connected to who I once was. So living in the moment I tell myself. It's really all I can do. Live in the moment. And not beat myself up too much. And not beat myself up too much for mastering "the art of losing"
次女が最後のシーンで読む詩は後で読み返すとこころに残る
Nothing’s lost forever. In this world, there’s a kind of painful progress. Longing for what we’ve left behind, and dreaming ahead. At least I think that’s so.
最後に残ったものに救われる
主人公の白痴が、脳に手術を受けて、天才になり、やがてもとの白痴に戻ってしまう。という作品。「まごころを君に」として映画化もされた。
主役の名がチャーリーで、恋人の名はアリスだった。確か…
ストーリーもよく似てるし、何らかのつながりがあるとしか思えない。
ま、それはそれとして、
以後、ネタバレ
自殺未遂事件は、当然家族の全員が知るところとなったのだろう。映画では語られていないが、アリスには常に付き添いが必要になったことで明白だ。
そこでどんな悲劇が繰り広げられたか知る由もないが、少なくとも、アリス本人はそのことすらもう覚えていない。実に哀れな、結末である。
そして、夫が仕事のためにアリスを娘に託し、別れを告げる時の無念と溢れ出る愛情の涙。アレック・ボールドウィンの静かな演技が素晴らしい。
この作品の意義は、病気と戦ったアリスの、それでも失われない物ってなんなの?という問い掛けだろうか。
自分へのビデオレターに、「あなたはよくやった。悪くない人生だった。」とねぎらうメッセージ。仕事で大きな業績を残し、3人の子を育て、十分に養育し、今や二人の孫に恵まれ、持たざる者にすれば、羨ましいほどの成功を収めている。
そして、娘からの質問に答えるアリスの、「愛…愛について」朧気につぶやくセリフが、この映画が本当に伝えたいことを強烈に語りかけてくる。
知識や教養、地位や名誉より、最後に大切なのは…
いろんなものを失ったアリスが、最後まで失わなかったもの。
2016.6.23