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のど自慢 Comments (6)
映画「のど自慢」(井筒和幸監督)から。
「のど自慢」と言えば、NHKのあの番組しか浮かばない。(汗)
その長寿番組に出場しようとする人たちの姿は、
涙ぐましい努力と、誰にも言えない想いを抱えている。
それは(たぶん)大勢の前で唄うと決めた「曲目」に詰まっている。
だから、得意な歌、好きな歌とは限らない。
誰かに伝えたい歌詞やメッセージがあったりするからドラマになる。
それを引き出してくれるのが、司会者のあの台詞。
「どうしてこの曲を選んだのですか?」
鐘の音が、合格であろうと1つ、2つであろうと、
喜んでいる人、がっくりしている人に、司会者は訊ねる。
私は、この理由を聞くのがなぜか好きだ。
実は「のど自慢」だけではなく、カラオケでも同じことを考える。
画面に映し出される、色が変わっていく歌詞を読みながら、
この人はなぜこの歌を選んだろう、と。
観終わった後に、予告編を何気なく眺めていたら
「つらい時、悲しい時、あなたの心の中の『応援歌』は何ですか?」
「よければみなさん、御一緒に!!」のキャッツコピー。
その応援歌を持っている人といない人、
生きてく上で、大きな差になってくるよなぁ。
なぜ、この曲を、選んだんですか?
司会者のこの言葉が発せられる時、観客は答えを聞く前に、歌い手の思いにハッと気づき、涙する。
歌が好きになる映画。