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ミンボーの女 Comments (7)
また、皮肉にも民事暴力介入をテーマにした本作の制作を快く思っていなかった反社会的勢力に、伊丹監督が襲撃されると言う殺傷事件のみがクローズアップされ、作品自体の評価はさほど高くはなかった。
分かり易く言えば、
1.ヤクザが
2.一般市民の民事的紛争に当事者として介入し、
3.暴力団の恐ろしさを背景に、
4.不当な利益を得ようとする事
<映画の内容>
ヤクザと企業の闘い ”ヤクザ(総会屋)に狙われた企業(総務)がヤクザに屈せず、撃退する話”
学生時代、法律を学んでいた私にとっては、退屈な授業より余程面白く勉強になった?作品。
暴対法が2008年に施行され、2012年に改正法が施行されて以降、今作のような事象はほぼ(表面的には)ないが、今作が公開された1992年当時では当たり前の出来事だったらしい・・、と諸先輩から聞いている。
その時代に、今作を製作し上映した故、伊丹監督の映画人としての矜持に敬服する。(但し、当時の伊丹監督のインタビューを読むと、単に面白そうなテーマだったからという事らしい。成程。)
ヤクザ役で出演した俳優さんたちの凄み方だけでも観る価値はある。
・伊藤四朗さん (No1!)
・上田耕一さん (No2!)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー (このラインで一線を画する)
・我王銀次さん(ドーベルマンみたいに怖い)
・中尾彬さん (顔が怖いが、マダマダである)
・故、小松方正さん
・故、田中明夫さん
・ガッツ石松さん
・不破万作さん
”番外編”
・鉄砲玉の柳葉敏郎さん (当たり前だが、若い。セリフなし)
<ヤクザの介入の仕方>
(例①:エセ同和 今では絶滅危惧種だが現在でも散見される)
(例②:電話による下請け参加強要 今でも業界では普通にある)
<鑑賞当時は笑いながら観ていたが、今では、良くぞ伊丹監督調べたなあと感嘆する作品である>
<1992年5月23日 劇場にて鑑賞>
伊丹監督がマルサシリーズに続いて、余り注目されていない「民事介入暴力」の世界にフューチャーした秀作です。
暴力団の手口、それに対する一般人の対抗手段、その対抗手段を度胸と覚悟と自信で乗り切る女性弁護士。
暴力団員の悪逆非道に憤り、少し情けないホテルマンのドタバタを笑いながら、弁護士の痛快な弁舌にカタルシスを感じる極上のエンターテイメント作品です。
ただ、クライマックスは少々やり過ぎ感があります。盛り上げるために大袈裟にしてしまい雑になった印象が強く興ざめしてしまいました。中盤まではマルサを超える面白さだっただけに、残念でなりませんでした。
普通の臆病な人たちが勇気を出す話で感動的だった。特に何を鍛えたわけでもなく、情報を把握して作戦を遂行していた。しかし、一般の従業員がヤクザの相手を担当させられるなど、今ならパワハラだ。大地康雄は血尿を出していた。宝田明はアホ社長だし、奥さんと娘はとても感じが悪かった。
確かにこんな映画を作られたらヤクザは商売あがったりなので、監督を襲ってしまうのも仕方がない。そんな困難を顧みずにここまでの作品を作った伊丹監督はすごい。