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トーマス・クラウン・アフェアー Comments (7)
『ダイ・ハード』のジョン・マクティアナン監督作品ということで期待大。
オリジナルの『華麗なる賭け』は観てない(観たくなりました)のですが、“億万長者の裏の顔が泥棒”という設定にもそそられる。
そんなグイグイ上がってしまったハードルも悠々越えて見入ってしまう作りでした。
シナリオはもちろん“リッチな大人のゲーム”にとってもよく合う音楽や演出もよかったです。なんていうかすごく日本語が似合わない雰囲気w こういう作り込んだ感じ好きです。
ただ見入ってしまったばかりに心理戦に気を取られて私がなかなか“ラブストーリー脳”に切り替えられなかったせいでラストはそっち?!と丸く収まった感じにちょっとがっかり。終わった後にじっくり消化すると全然アリなんですけどね。もっと早く“リッチな大人のラブロマンス”だと気付けばよかった。
序盤はこのデキる男、デキる女のポーカーフェイスがどう崩れるんだろうとニヤニヤしながら観ていましたw
そしてキスをしていいかどうか戸惑うキャサリンが初めて見せた“可愛いげ”、最後の“約束”を見守る時に頬が綻んでしまうのを我慢できないあの感じ、見たかった人間味が見れて更にニヤニヤw
レネ・ルッソの結局愚かな女として手の平で転がされてしまう演技が本当に素晴らしい。
…と思ってトーマスの夜神月ばりの「計画通り」が待ってるのかとばかり思っていたら斜め上の「計画通り」だったので拍子抜け。
もちろんこの“惚れた女の落とし方”というハッピーエンドの方が気持ちがいいし、スマートさも人間味も出てて完璧なんだけど、トーマスさんにはそれを期待してなかったというか。
なんだろう完璧すぎるのかな。一杯食わされたり逆転負けするところも見たかった気もするし完璧すぎるならたまには悪が勝つでも良かった。
それとマイケルの“普通の刑事がやり手に振り回されながら奮闘”みたいな構図は最後まで欲しかったな〜。あれがラブストーリーに纏まっちゃったのがチープに感じてしまう一番の原因かも。
もちろん最大の原因はしっかり筋が通ってるのに最後の最後で脱線事故を起こしたように感じる
私の見方ですがw
それにしてもトーマス・クラウン氏は朝の過ごし方から、海や空で自由に遊んでなんて羨ましい生活なんだろうw なんだかんだ言いましたがそんな彼のリッチマンにしかわからない“欲”が満たされて良かったとは素直(?w)に思うし、彼の仕掛けた“妙”にもたくさん驚かされた(最後の絵のトリックは知りたいけど)ので充分満足させてもらいました。
マックイーン、フェイ・ダナウェイの「華麗なる賭け(1968)」のリメイク、確かにゲーム性が裏にあるとすれば銀行強盗ものより名画泥棒の方がルパン的で許せますね。
製作・主演までしていますからピアース・ブロスナンはやりたかった役なのでしょう、甘いマスクでおば様キラーだからでしょうか相手役はレネ・ルッソ45才、必然性のないトップレスまで披露して熱演だが、お似合いのカップルとは言い難い。お悩みカウンセラー役でフェイ・ダナウェイまで引っ張り出してクラウンをピータパン症候群と診断、やっぱりマザコンだったのね、だから年上のレネ・ルッソ? 推測ですがピアース・ブロスナンの女性ファンを考慮して、私でもいけそうと思わせる映画会社の計算かもしれませんね。個人的にはクラウンが興味を持つのはわかるものの、あそこまで入れ込む設定についてゆくのはきつかった・・。
さすがアカデミー主題歌賞をとった「The Windmills of Your Mind(風のささやき)」はいいですね、エンドロールのスティングも味がありますが、二人が街を歩くシーンでかかったJAZZアレンジのChico O'Farrilの曲が哀愁を漂わせていました。ひょっとしてまた悲しい結末になるのかと思わせておいて、あの結末、これもまたマーケティングなのでしょう。
切れ者同士のクールな頭脳戦が見せ場なのにオリジナル程真面目に作っていないところが評価の分かれ目かも知れません。
マグリットの 山高帽の男の絵をトリックに使うあたりは笑えますね、だったらいっそのことキャスティングも見直し、峰不二子ちゃん風ならアンジーでしょうか、刑事も銭形風にして怪盗クラウンに寄せきった方が娯楽性が高まった気がします。
まあ、「ダイハード」、「プレデター」、「レッド・オクトーバーを追え!」など娯楽性は天下一品、手練れのジョン・マクティアナン監督にしては中途半端、ピアース・ブロスナンのPVもどきになってしまいました、端からそんなオファーだったのかも知れませんね・・。
スティーブ・マックイーン主演の「華麗なる賭け」のリメイクだそうです。
冒頭の絵画窃盗シーンはリズム感もスピード感あり、映画に引き込まれていきます。
ヒロインの推理も無理がなく的確で、推理ショーとしても楽しめる作品です。
ただ、肝心のラブストーリーが物足りなく感じます。デートシーンは幾つかあったのですが、二人が惹かれ合うには少しエピソードが足りなく、無理くり恋愛映画にしてしまったように思います。もう一つ位両想いになるストーリーを入れたらラストがもっと引き立ったかもしれません。