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11\'09\'\'01 セプテンバー11 Comments (1)
11の作品のうち、印象に残るのは1:イランのサミラ・マフマルバフ監督作品、6:イギリスのケン・ローチ監督作品、7:メキシコのアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督作品だった。
1は、イランに300万人いると言われるアフガン難民の地域にて、アメリカの報復でアフガニスタンに核攻撃されるという噂がたち、懸命にレンガでシェルターを作っている光景。小学校の先生はアフガン難民の子供たちに同時多発テロが起こったことを教えようとしているのだが、子供たちにとっては純粋に井戸に落ちて死んだ人の方が重要であり、逆に人間の死はテロによって死んだ人だけが不幸じゃないんだと考えさせられる。
6は、イギリスに亡命してきたチリ人の手紙独白。1973年の9月11日、奇しくも同じ火曜日にアメリカ主導の下で社会主義政権(アジェンデ大統領の人民連合政権)がクーデターにより崩壊したことを淡々と語る。尚、9・11といえば世界的にはアメリカ同時多発テロを指すが、ラテンアメリカではこのチリのクーデターを指すことも多い。
7は、いきなりの暗転映像を背景に音声が怒涛のように押し寄せてくる。時折挿入される貿易センタービル崩壊の映像がまるでサブリミナル効果のように印象づけられる。短編だからこそ出来るほぼ暗転映像の世界。様々な解釈、感情が生まれる作品だ。
通して見ても、テロリストの残虐性だけを訴えるのではなく、世の中全てに共通する戦争や宗教・文化の違い。そして、アメリカ至上主義をも批判するかのような内容になっていました。遠く離れた国では違った感情が生まれていることも事実であり、テロへの対策より、テロを生まない対策が望まれる・・・などと心に残りました。