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みんなのヴァカンス Comments (1)
パリっ子とかパリジャンとか呼ばれている連中、こりゃ失礼、元い男性たちは、地方からすると見栄っ張りで、いけ好かない奴が多いなんて聞いたことがあるけど、それは日本も同じなんてね💕 これぐらいで怒る人もいるかもしれないので失礼しやした。
Got any weed? なんて聞かれて何も知らない箱入り息子でマザコンのエドゥアールは "kitten" て呼ばれるのが嫌いなウブでお人好しで「相乗りマッチングサービス」で女性の名前をかたられ、それでもいざ出発!! しかも2人は黒人の男性って... 怖くない?
なんせ、フェリックスは、高齢者の介護者としてパリの黒人学生って肩書も何処へやら、恋するジュテームにサプライズをブチかます計画をお持ちのお調子者で行き当たりばったりな代表選手フェリックスは愛しのアルマにようやく会ったのに彼女から「あたい、サプライズは嫌いだから!こっちから電話するまでかけてこないで!!」なんてね(╥ᆺ╥;) あらあら、トホホッ!?
フェリックスと相乗りしてバカンスを楽しむために嘘で固めた言い訳をグロッサリー・ストアの店主から「本当に母親が死んだんなら黙っていけ!」なんて見透かされているほどそして許されるほど3人の中を取り持つ触媒の様な"彼女のいない歴" 不明な巨漢シェリフ... この人、愛されキャラです。
最初は3人のキャラが個性がないようであるようなあまりパッとしない掴みどころのないところもあったけれども映画も進むにつれて、この何とも言えないモキュメンタリー映画風なステレオタイプのセリフ自体が存在しない平々凡々として盛り上がりなんて期待しないし、それがないことで観客としての自分が既に知らないうちにどっぷりと映画に浸かっていることが、後で分かるほど自分のペースで見ることが出来た稀な映画なのかもしれない。
始めは見た目はアンニュイ(ennui )とは遠い位置にいるモキュメンタリー映画を思わせるその即興的な彼らのセリフのアプローチに親しみやすく、ウオウサオウするリズムを与えながら、パリの澱んだ空気では味わうことのできない、そのさわやかなブリーズのような避暑地を、映画の活気に満ちたオープニング の出発点とは微妙に、しかし深く異なる場所で映画はそのすべての彼らが抱える問題を軽く受け流し、映画の登場人物の3人の若者のキャラが何を表すかではなく、主に彼らが誰であるかを示すことで、これは、故意に無視されたり、強制的に前面に出されたりしない人種的側面の点で特に斬新に見える。その事は、シェリフと フェリックスの肌の黒さは、あからさまに例え人種差別を引き起こすわけではないにしろ、フランスの田舎のヴァカンス・スポットの目がくらむほど白い道路や砂地、それを強調するような家並みの環境での彼らの全くの不調和は紛れもなく、しかしながら古典的な物語に、ポップ カルチャーで常に片付けられたり取り上げられたりする何か、つまりヤング・アダルトの何処にでも居る一般的な彼らを真剣に受け止めて素朴で現代的な非常に新鮮で、面白く、優しい映画に仕上げている。
本作『みんなのヴァカンス』を製作したギョーム・ブラック監督は以前、「避暑地のひと夏を通して描き出すフランス社会の現在」と題されたフランスの映画誌「カイエ・デュ・シネマ」の2018年ベスト10に選出されたドキュメンタリー映画『宝島』を撮っている。それは、子供のころ彼自身が羽目を外さないまじめな子供でスティーヴンソンの『宝島』を読んだことからドキュメンタリー映画には底辺には小説のイメージが流れ、いつかは映画を通して彼は羽目を外してみたいという想いがあり、しかもエリック・ロメールの『友だちの恋人』のロケ地も一緒という事で少なからず、彼が映画を志した頃より影響があったのが物語っている。
ギョーム・ブラック監督は「ドキュメンタリーという定義は、あらかじめシナリオありきで、決められた結論に行き着くように進みます。」と語り、「私が課した唯一のルールは、人に関しても撮影している場所に関しても、何も“でっち上げない”ことでした。」... つまり、ドキュメンタリー映画『宝島』に粋な少し脚色を加えることで本作『みんなのヴァカンス』にいい味付けの面白みを演出していると言えるかもしれない。(ポータル・サイト:Cineuropaより一部参考 )